【BPOコラム】BPOとは ~委託対象業務で差が付く~ その1
アウトソーシングという単語は昔からよく耳にしているのではないでしょうか。いわゆる社内ではなく外部のリソースを利用することが広義な意味ですが日本においては、特に事務業務においては作業委託として理解されていることが一般的だったと思います。
年数回発生する入力業務、例えばお歳暮の申込用紙やキャンペーン時の申込書のデータ入力、月次で発生する入力業務、例えば請求書、領収書のデータ入力など紙文化が継続している日本においては、ある時期に大量の業務量が発生します。そのために人員を配置すると繁閑期の差が激しくアウトソーシング(外部委託)のニーズが生じます。このようなある部分の特定な作業を外部委託する、これをアウトソーシングという認識ではないでしょうか。
これに対してBPO(ビジネス・プロセス・アウトソシング)は、「ビジネス・プロセス」という単語が前に付きます。業務は必ず複数のプロセス(作業の組合せ)から成り立っています。このプロセスをまとめてアウトソーシング(外部委託)することがBPOと呼ばれています。
従来のアウトソーシングで作業委託したのにあまり楽になってない。業務量が減ってないと感じる、このような経験は無いでしょうか。何故でしょうか。その理由は、①外部委託するために準備する新たな業務が生じてしまう、②外部委託の結果、受領するデータ等を登録・処理する業務が生じる、③これらを管理する業務が新たに生じる、この三つの要素は新たな工数を生んでしまいます。例えば、入力を依頼する資料を選別して箱詰めして送り状を書いて郵送する、今まで要らなかった作業が生じます。そのために資料を早く回収しなければならず現場に催促することもあるかも知れません。
そこで、委託する範囲を作業レベルではなく、複数のプロセスをまとめて委託するBPOの活用で外部委託するメリットを最大化することが重要です。しかし、どこからどこまで委託すれば良いのか頭を悩ませるケースがほとんどです。何故ならどのようなプロセスでどのような作業があるのか可視化されてないためです。これでは、有効な委託範囲を選択することが出来ません。
そこで、まずは業務のプロセスを可視化することが第一歩となります。これはBPOするためだけではなく、業務改善するために最も必要な要素となります。しかし、日本においては多くの企業で可視化されていないのが現実です。終身雇用で担当者が同じ部署で複数の業務を長年こなし属人化して運用している際には可視化する必要性がありません。これは企業規模、業界業種、社歴、上場の有無に関係なく同様です。上場審査の際には業務プロセスを可視化する必要がありますが経年して現実のプロセスとかけ離れていることが多くあります。
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