【DXコラム】自治体のDXを進めるためには ~産学官民連携したエコシステム~
遅れている自治体のデジタル化に対し政府は2021年9月1日にデジタル庁が発足させ、自治体情報システムの標準化・共通化を2025年度末までに目指す方針が出された。実際には新宿区を始め間に合わない自治体が171存在しているが、この方針は日本特有の各自治体の個別カスタマイズしたシステムを標準化するものであり、デジタル化の第一歩でしかない。
また、総務省は自治体DX推進計画を策定・推進しているが令和3年のアンケートでは総数1741の内、全体方針を策定してるのは219しかない。
では何故デジタル化、DX化が進まないのか、理由は多々あるだろうが最も大きいのは、一般企業でも同じDX推進人材の圧倒的な不足である。日本企業においては、社内システムを自社開発している割合は3割で欧米の1/3以下であり社内にIT人材を抱えず外部委託することが通常であり、官公庁ではなおさらである。
ではこのような環境、状況にある中でどのようにしたら地域社会がデジタル化して行くのか
まずはデジタル社会について考えてみると
デジタル社会においては、ほとんどの機器が常時ネットワークで繋がっていて、場所、時間を気にすることが無く、社会生活が営める状況にある。例えば家、仕事のオフィス、学校、銀行、保険会社、区市役所、諸官庁スーパー、デパート、外出先、旅行先など物理的な行動(スポーツ、旅行など)以外、何をするにも場所の制限が無く、時間の制限も無くなる。今まで区市役所や銀行に営業時間内に行って手続きしなければならなかったことはどこからでもいつでも出来る。このようなネットワーク社会が近い未来に訪れると仮定すると社会常識、ルール、個人ニーズ、企業ニーズなどが大きく変わって来る
このような社会を築くためにはどうしたら良いのか
地域社会のデシタル化の中心となる推進役を自治体とし、まずは自治体職員のITスキルアップを図るために、地域大学が講座を開設し、講義を受け職員全体のITリテラシーを上げ、担当者に専門スキルを付ける。次に自治体職員自らが住民や中小企業に対し、IT研修やスキルアップ講座を行う。ここでは従来からある委託した教育機関を使うのでははく、職員自らが直接住民や企業人と接触するのが重要となる。次にこの初期スキルを定着させるために大学担当者が住民、企業人に追加研修を行う。次に更にステップアップしたい人のために大学が用意した専門講座を住民、企業人が受講し、専門知識を付ける。最後に住民と民間企業の間で地域社会に貢献するデジタルサービスを創造する。
こうして自治体と大学との連携、自治体と住民/企業人との連携、住民/企業人と大学との連携、住民と企業人との連携により地域社会のデジタル化を深化させて行く産学官民連携 地域社会DX推進エコシステムを構築する。
今後、このような発想を地方自治体様にご提案させていただく予定です。