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トピックス2024年1月23日

【DXコラム】電子帳票保存法対応 その2

< ついに施行 電子帳票保存法 >

2023年10月1日インボイス制度が開始となり、2024年1月1日より改正電子帳票保存法が施行されました。もともと紙でやり取りしていた取引は紙のままで良いとなっているので電子データと紙の取引証憑が混在されている企業様がほとんどではないでしょうか。しかし、これでは負担が増すばかりでデジタルのメリットを享受することが出来ません。取引量が少ないので混在していても問題がないと考えているご担当者様、経営者様も多いのかと思われます。
注意が必要なのは、FAXでの取引です。紙の書類をFAXで読ませ、受信先もFAX印刷する場合は従来の書面によると取引と判断されるのでそのままで良いのですが、印刷代や電話回線代が生じるため、インターネットFAXに変えている場合、電子取引となり、電子データ保存しか認められません。ある統計調査ではインターネットFAXの普及率は10%程度となっているのでそれほど大きな影響ではないのかも知れませんが判断を誤ると後々苦労することになります。

< デジタル化過程の苦悩 >

すでに様々な証憑は、少なくともEXCELやアプリケーションでできているのでデジタルデータの取扱いには違和感がないかと思いますが、デジタルデータのみでさえファイルがなかなか見つからないのが現実ではないでしょうか。ここに紙の証憑が混在していたら対象の取引証憑を探すのに頭を抱えることになります。
この混在を止めてデジタルに統一しようとすると単なる紙のデジタル化、つまり複合機やスキャナでデータ化し、年代別/取引先別/取引別等に分類してストレージに保存するだけでは解決せず、結局企業独自のビジネスプロセスにあった保存方法でないと使い難く、かえって非効率となり何のためにデジタル化したのか分からなくなります。

< 企業独自のビジネスプロセスの可視化 >

そこで、各企業のビジネスプロセス、つまり問合せ、見積、契約、発注、製造、物流、納品検収、売上計上、請求、支払、入金確認までの証憑が取引毎にすぐに参照できるように保存、管理しておくことが重要となります。こうなれば日々の営業行為が非常に効率的となり各担当がより実績を上げるためのコア業務に注力できます。
しかし、言うは易く行うは難し、全体の流れを理解して管理している担当者や部門が無い現状では不可能だと感じている方も多いと思います。経理部門が主導で始めても現場での取引が理解出来ていないため抜け漏れが発生し、整理しきれなくなるケースが多く発生します。
これを進めるためには、DX推進プロジェクトを立上げ、代表者の管轄の下、ビジネスプロセスの可視化から始めるのが実際の近道です。ITベンダーからは必ずツールの提案から入り、また企業内のIT担当部門もツールの検討から始めることが常ですがそれでは本来の目的に達することが難しくなります。
共有できていなかった各部門のビジネスプロセスをプロジェクトメンバーが理解することで部門間のコミュニケーションが増し、現実の課題が明確になります。更にビジネスの付加価値がどこにあるのか気付きが深まり、事業革新いわゆるDXの実現に向けて大きく進むことが期待できます。

 

電子帳票保存法の対応はDX推進に非常に良いキッカケとなります。